第二種電気工事士(学科)/配線図
傍記文字と配線の記号(電線・管・施工と検査の読み取り)
配線図の線に添えた「VVF 1.6-3C」「IV 1.6×3(PF16)」の読み方、管の記号、立上り・引下げ、増設・撤去の表し方と、配線図から工事方法・絶縁抵抗・電線の太さを読み取る手順をまとめます。
配線の線に添えた文字はどう読む?
配線図では1回路を1本の線で描き、電線の種類・太さ・本数を線に添えて書きます。ケーブルは「VVF 1.6-3C」のように、種類、導体の太さ、線心数の順です。600Vビニル絶縁電線は「IV 1.6×3」のように、太さと本数を×でつなぎます。管に入れるときは、括弧の中に管の種類と太さを書きます。
電気技術者試験センター(以下、センター)の技能試験の資料や候補問題にも、VVF 2.0-2C、VVF 1.6-3C、IV 1.6×3(PF16)、EM-EEF 2.0-2C、VVR 2.0-2C といった書き方が出てきます。候補問題の注記では、記載のない電線はVVF1.6とされています。
太さの数字は、小数点の有無で意味が変わります。JIS C 0303:2000 は、単位が明らかなら単位を省略してよいとし、2.0は直径、2は断面積を示すと定めています。1.6・2.0・2.6はmm単位の直径、2・3.5・5.5はmm²単位の断面積と読みます。
電線の記号と配線の種類で覚えるものは?
センターの配線図問題の注意事項では、屋内配線は特記がなければVVFを用いたケーブル工事です。図の中でVVF以外の記号が書かれている部分は、そこだけ条件が違うという合図になります。
IVはシースのない絶縁電線で、住宅の配線図では電線管に入れる形で出てきます。IVの横に管の記号が添えてあるのはこのためです。EM-EEFは、センターの資料でエコケーブルと呼ばれている種類で、VVF用のストリッパでは外装がうまくむけないことがあると注意されています。
配線そのものの描き方も区別されています。JIS C 0303は、天井隠ぺい配線、床隠ぺい配線、露出配線を別々の線で表すと定めていて、天井隠ぺい配線のうち天井ふところ内の配線を区別する表し方もあります。線の描き分けは、センターが公表している過去の試験問題の配線図で確かめてください。
| VVF | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 |
|---|---|
| VVR | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形 |
| IV | 600Vビニル絶縁電線 |
| EM-EEF | 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形 |
| CV | 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル |
管の記号は何を表す?
管の種類は文字で示し、ねじなし電線管E、合成樹脂製可とう電線管PF、硬質ポリ塩化ビニル電線管VE、2種金属製可とう電線管F2などがあります。文字の後の数字は管の太さです。
PF管とCD管はどちらも合成樹脂製可とう電線管です。CD管は、直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性または自消性のある難燃性の管などに収めて使うと定められています(電技解釈第158条)。
電線の入っていない管の表し方や、接地線を配線と同じ管に入れる場合の表し方も、JIS C 0303に定められています。
立上り・引下げや増設・撤去はどう表す?
上の階へ向かう配線は立上り、下の階へ向かう配線は引下げ、階を通り抜けるだけの配線は素通しの図記号で表します。2階建て住宅の1階の図面に立上りがあれば、2階の図面の同じ位置に続きの配線があります。
改修工事の図面では、同じ図面に増設と既設を描くことがあります。JIS C 0303は増設を太線、既設を細線または点線とし、色分けしてもよいとしています。撤去するものには×を付けます。
ボックスの図記号には、プルボックス、ジョイントボックス、VVF用ジョイントボックスがあります。プルボックスには材料の種類と寸法を傍記します。
配線図から施工と検査の条件をどう読み取る?
配線図問題では、記号の名称だけでなく、その部分の工事や検査の値も問われます。センターの例題ページも、図記号の意味を理解したうえで、用途や指示部分の工事まで問うと説明しています。
絶縁抵抗の基準値は、電路の電圧の区分で決まります。単相3線式100/200Vの住宅は、100V回路も200V回路も0.1MΩ以上です。三相3線式200Vの動力回路は対地電圧が150Vを超えるので0.2MΩ以上、300Vを超える電路は0.4MΩ以上です(電技省令第58条)。
分岐回路の電線の太さは、過電流遮断器の種類と定格で決まります。20Aの配線用遮断器の回路なら直径1.6mm以上の軟銅線でよく、20A以下のコンセントをつなげます。同じ20Aでも、配線用遮断器以外の過電流遮断器なら直径2.0mm以上です(電技解釈第149条)。
例題:単相3線式の住宅で絶縁抵抗の基準値を読む
引込は単相3線式100/200V(中性線は接地されている)。分電盤から100Vの照明回路と、200Vのエアコン専用回路が出ている。それぞれの電路と大地との間の絶縁抵抗の基準値を求める。
- ① 使用電圧の区分 どちらの回路も使用電圧300V以下 200V回路でも300V以下
- ② 対地電圧 中性線が接地されているので、各電圧線と大地の間は100V 200Vは電圧線どうしの間の電圧
- ③ 基準値の区分 300V以下で対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上 電技省令第58条
答え:照明回路もエアコン回路も0.1MΩ以上
よくある間違い:200Vという数字だけを見て0.2MΩを選ばない。0.2MΩは三相3線式200Vのように対地電圧が150Vを超える場合の値。
職場ではどう使う?
リフォームで浴室の換気扇を増設するときは、図面の太線の部分と既設の細線の部分を見比べて、どのボックスから電源を取るかを決めます。天井裏のジョイントボックスから新しいVVF 1.6-2Cを分岐し、工事の後に絶縁抵抗計で0.1MΩ以上あることを確かめます。
店舗のように管を使う現場では、IV 1.6×3(PF16)のような表記から、管の種類と太さ、中に入れる電線の本数を拾い出して材料をそろえます。2.0と2を読み違えると、直径2.0mmの単線を頼むはずが断面積2mm²のより線が届く、ということが起きます。
試験ではどう問われる?
電線の記号では、VVFとVVR、IVとVVFのように似た名前を入れ替えた選択肢や、直径と断面積を取り違えた選択肢が作られます。管の記号では、EとPFとVEの入れ替えが典型です。
読み取りの問題では、単相3線式の200V回路で0.2MΩを選ばせる選択肢や、配線用遮断器とそれ以外の過電流遮断器の区別を見落とさせる選択肢に気をつけます。数字そのものは正しくても、条件が違えば誤りになるのがこの分野の特徴です。
よくある質問
VVF 2.0-2Cの2.0と2Cは何を表す?
2.0は導体の直径2.0mm、2Cは線心が2本あることを表します。VVFは600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形です。
単相3線式の200V回路の絶縁抵抗は0.2MΩ以上?
0.1MΩ以上です。200V回路でも各電圧線と大地の間は100Vで、対地電圧150V以下の区分に入ります。
配線図の立上りとは何?
その階から上の階へ向かう配線を示す図記号です。下の階へ向かうものは引下げ、階を通り抜けるだけのものは素通しです。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は一般財団法人 電気技術者試験センターの公式情報で確認してください。