第二種電気工事士(学科)/配線図
接続材料と工具の選定(リングスリーブ・差込形コネクタ)
リングスリーブ(E形)の大きさと圧着マークの選び方をJIS C 2806準拠の表で整理し、差込形コネクタの個数の数え方、接続部分の欠陥の基準、工事ごとの工具の組合せをまとめます。
リングスリーブはどう選ぶ?
リングスリーブは、JIS C 2806 の銅線用裸圧着スリーブのうち終端重合せ用のE形で、住宅の配線では小・中・大の3種類を使います。どれを使うかは、接続する電線の太さと本数の組合せで決まります。
電気技術者試験センター(以下、センター)の技能試験の資料に載っているJIS C 2806準拠の表では、1.6mmだけなら2本が小(圧着マーク○)、3〜4本が小(マーク小)、5〜6本が中、7本が大です。2.0mmだけなら2本が小(マーク小)、3〜4本が中、5本が大です。2.6mmは2本が中、3本が大です。
太さが混ざるときは、表の「異なる場合」の欄で確かめます。2.0mm1本と1.6mm1〜2本は小(マーク小)、2.0mm1本と1.6mm3〜5本は中、2.0mm2本と1.6mm1〜3本も中です。2.0mm1本と1.6mm6本、2.0mm2本と1.6mm4本は大です。最大使用電流は、小が20A、中と大が30Aです。
圧着マークの○と小はどう違う?
小スリーブには2種類の圧着マークがあります。1.6mm2本は○、1.6mm3〜4本や2.0mm2本は小です。1.6mm1本と0.75mm²1本のように電線の量が少ない組合せも○になります。同じ小スリーブでも圧着工具のダイスが違い、刻印で区別できます。
圧着には、JIS C 9711 に適合したリングスリーブ用圧着工具を使います。握りが黄色のJIS適合品なら、○・小・中・大の刻印が付きます。センターは、圧着端子用の工具(握りが赤色のものなど)で圧着して数字の刻印が付いたものは、正しい工具を使ったとは認めず欠陥と判断すると説明しています。
技能試験の欠陥の判断基準では、スリーブの選択の誤り、圧着マークの誤り、マークの一部の欠け、1つのスリーブに2つ以上のマーク、1か所に2個以上のスリーブが欠陥です。スリーブの上端から心線が5mm以上出たもの、絶縁被覆のむき過ぎで下端から心線が10mm以上出たものも欠陥になります。
差込形コネクタは何個必要?
差込形コネクタは、むいた心線を差し込むだけで接続できる材料で、差込口の数によって2本用、3本用、4本用などがあります。1か所の接続点に1個使い、その接続点に集まる電線の本数に合ったものを選びます。
個数を数えるときは、複線図を描いて接続点ごとの本数を書き出します。電線の総数から割り算で出すと、個数も種類も合いません。
差込形コネクタには、心線をむく長さを示すストリップゲージがあります。欠陥の判断基準では、先端部分を真横から見て心線が見えないもの(奥まで入っていない)と、下端部分を真横から見て心線が見えるもの(むき過ぎ)が欠陥です。テープを巻かなくても絶縁が保たれる構造なので、心線のはみ出しは認められません。
例題:ボックス内の接続材料を数える
電源(VVF1.6-2C)がジョイントボックスJに入る。Jから片切スイッチイ、スイッチイで同時に点滅する2つのランプ(それぞれ別のケーブル)、コンセント1個へVVF1.6が出ている。
- ① 接地側(白) 電源・ランプ1・ランプ2・コンセント = 4本
- ② 非接地側(黒) 電源・スイッチ・コンセント = 3本
- ③ スイッチから戻る線 スイッチ・ランプ1・ランプ2 = 3本 Jの中で2つのランプに分ける
- ④ 差込形コネクタ 4本用1個、3本用2個
- ⑤ リングスリーブの場合 1.6mm4本 → 小(マーク小)、1.6mm3本 → 小(マーク小)×2
答え:差込形コネクタなら4本用1個と3本用2個。リングスリーブなら小3個で、圧着マークはすべて小
よくある間違い:戻る線をランプの数だけ別の接続点と数えない。スイッチから来た1本がJの中で2つのランプに分かれるので、接続点は1か所。
工具はどの工事で何を使う?
配線図問題では、図の中の工事に使う工具の組合せも問われます。VVFのケーブル工事でボックス内を接続するなら、VVFストリッパ(またはペンチと電工ナイフ)で被覆をむき、リングスリーブ用圧着工具で圧着します。差込形コネクタで接続するなら、圧着工具は要りません。
ねじなし電線管の工事では、金切りのこで管を切り、リーマで切り口のばりを取り、パイプベンダで曲げます。ねじなしボックスコネクタの止めねじは、頭部がねじ切れるまで締めます。管にねじを切らないので、ねじ切り器は使いません。アウトレットボックスに穴をあけるときは、ホルソやノックアウトパンチャを使います。
硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE)は、ガストーチランプで温めて曲げます。合成樹脂製可とう電線管(PF管)は、合成樹脂管用カッタで切ります。接地工事の後は接地抵抗計、配線の後は絶縁抵抗計で測ります。
職場ではどう使う?
現場のジョイントボックスでは、1か所に5本、6本と電線が集まることがあります。1.6mm5本を小スリーブに押し込むと圧着が不完全になり、接続不良の原因になります。圧着の前に本数を数え直し、中スリーブを選びます。
差込形コネクタは作業が早く、改修で回路を組み替えるときにも使いやすい材料です。センターは技能試験について、接続をやり直すときはコネクタの下部で切断し、新しいコネクタでつなぎ直すよう求めています。抜いたコネクタを使い回すと心線を傷めるおそれがあるためで、現場でも同じ考え方で扱います。
試験ではどう問われる?
リングスリーブの問題では、接続点ごとのスリーブの大きさと個数、圧着マークの組合せを選びます。誤りの選択肢は、1.6mm2本をマーク小にしたもの、1.6mm4本を中にしたもの、2.0mmの混ざった接続を1.6mmだけの本数で数えたものから作られやすい型です。
差込形コネクタの問題は、接続点ごとの本数を聞いています。工具の問題では、ねじなし電線管にねじ切り器、ケーブル工事にパイプベンダのように、別の工事の工具を混ぜた選択肢に注意します。センターの例題ページも、リングスリーブ用圧着工具は握りが黄色いものとJISで定められていると説明しています。
よくある質問
1.6mm2本のリングスリーブと圧着マークは?
小スリーブで、圧着マークは○です。1.6mm3〜4本なら同じ小スリーブで、マークは小になります。
2.0mmと1.6mmを混ぜて接続するときは?
2.0mm1本と1.6mm1〜2本は小(マーク小)、1.6mmが3〜5本なら中です。JIS C 2806準拠の表の異なる場合の欄で確かめます。
差込形コネクタの接続で欠陥になるのは?
先端部分を真横から見て心線が見えないものと、下端部分を真横から見て心線が見えるものです(センターの欠陥の判断基準)。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は一般財団法人 電気技術者試験センターの公式情報で確認してください。