第二種電気工事士(学科)/配線図
複線図の書き方と最少電線本数
単線図を複線図に直す6つの手順を、片切スイッチ、3路・4路スイッチ、パイロットランプの常時点灯・同時点滅・異時点滅の例で練習し、ボックスの間の最少電線本数と接続点の数を数えます。
複線図はなぜ描く?
配線図は、1回路を1本の線で表す単線図で描かれています。実際に何本の電線が通るかは図に書かれていないので、電線の本数や接続点の数を答えるには、結線を1本ずつ描いた複線図に直す必要があります。電気技術者試験センター(以下、センター)の例題ページも、複線図を描いて考えるのが早道だと説明しています。
複線図は技能試験でも使います。候補問題の配線図から複線図を描き、電線の色と接続材料を決めてから作業に入るのが基本の流れです。学科で練習した描き方が、そのまま技能の準備になります。
複線図はどんな順番で描く?
次の6段階で描くと、線の描き忘れが減ります。①電源、ジョイントボックス、器具を単線図と同じ位置に置く。②接地側(白)を電源から負荷とコンセントへ引く。③非接地側(黒)を電源から点滅器とコンセントへ引く。④点滅器と、それで入り切りする負荷を結ぶ。⑤ボックス内で電線がつながる所に接続点の印を付ける。⑥各区間の電線の本数と色を書き込む。
守る決まりは2つです。接地側の白は点滅器に入れず、点滅器は非接地側に入れること。電線どうしの接続はジョイントボックスの中で行い、同じ場所に並べた器具の間だけは渡り線でつなぐことです。点滅器を接地側に入れると、スイッチを切っても器具に電圧がかかったままになります。
片切スイッチとコンセントの回路は何本になる?
最初の例題は、電源が入るボックスから、スイッチ、ランプ、コンセントの3方向へケーブルが出る回路です。住宅の1部屋の照明とコンセントがこの形になります。
この回路では、どの区間も2本です。スイッチの区間に3本目が要るのは、コンセントやパイロットランプのように接地側の線を使う器具が、スイッチと同じ場所に並ぶときです。
例題:ボックス1個、スイッチ1個、ランプ1個、コンセント1個
電源1φ2W 100V(VVF1.6-2C)がジョイントボックスJに入る。Jから片切スイッチイ、スイッチイで点滅するランプイ、2口コンセントへ、それぞれVVF1.6のケーブルが出ている。電線の接続はすべてJの中で行う。
- ① 配置 電源、J、スイッチイ、ランプイ、コンセントを単線図の位置に置く
- ② 接地側(白) 電源の白 → J → ランプイとコンセント スイッチには入れない
- ③ 非接地側(黒) 電源の黒 → J → スイッチイとコンセント
- ④ スイッチとランプ スイッチイのもう一方の端子 → J → ランプイ
- ⑤ 接続点 白3本(電源・ランプ・コンセント)、黒3本(電源・スイッチ・コンセント)、戻る線2本(スイッチ・ランプ)の3か所
- ⑥ 本数 J〜スイッチ 2本、J〜ランプ 2本、J〜コンセント 2本
答え:どの区間も2本。Jの接続点は3か所(1.6mm3本が2か所、2本が1か所)
よくある間違い:スイッチまでを3本と数える誤りが多い。スイッチには白が行かないので2本。
3路・4路スイッチの回路は何本になる?
3路スイッチには、共通の端子1つと切替えの端子2つがあります。2か所から点滅するときは、片方の3路スイッチの共通端子に非接地側を、もう片方の共通端子にランプへ戻る線をつなぎ、2つの3路スイッチの切替えの端子どうしを2本で結びます。
電源が入るボックスから3路スイッチA、3路スイッチB、ランプの3方向にケーブルが出る場合、ボックスとAの間は非接地側と切替えの線2本で3本です。ボックスとBの間は切替えの線2本とランプへ戻る線で3本、ランプへは2本です。接続点は、接地側、非接地側、切替えの線2か所、戻る線の5か所になります。
3か所から点滅するときは、切替えの線の途中に4路スイッチを入れます。4路スイッチは入る側2本と出る側2本を、まっすぐ、またはたすきに切り替える器具で、ボックスとの間は4本です。ボックスから3路A、4路C、3路B、ランプへ出る回路なら、接続点は7か所で、すべて2本どうしの接続です。
パイロットランプの常時点灯・同時点滅・異時点滅はどうつなぐ?
確認表示灯(パイロットランプ)の点き方は3通りあり、つなぎ方で決まります。常時点灯は電源の非接地側と接地側の間に直接つなぎ、スイッチに関係なくいつも点いています。同時点滅はランプと並列につなぎ、ランプと一緒に点いたり消えたりします。異時点滅はスイッチと並列につなぎ、スイッチが切れてランプが消えているときに点きます。
異時点滅でスイッチを切ると、パイロットランプとランプが直列になって小さな電流が流れます。電圧のほとんどがパイロットランプにかかるので、パイロットランプだけが光り、ランプは点灯しません。
本数は、スイッチの場所に接地側の線が要るかどうかで決まります。常時点灯と同時点滅は3本、異時点滅は2本です。前の2つは非接地側・接地側・戻る線の3本が要り、異時点滅は接地側が要りません。技能試験の候補問題にも、確認表示灯を常時点灯とする特記が付いたものがあります。
ボックスが2つあると本数はどう変わる?
ボックスどうしを結ぶ区間の本数は、その先にある器具が何を必要とするかで決まります。先のボックスで完結する回路なら、接地側と非接地側の2本で足ります。手前のボックスから出たスイッチで先のランプを点滅するなら、戻る線が1本加わります。
例題のJ1の接地側には電源の2.0mmが混ざるので、リングスリーブを使うなら中スリーブになります。スリーブの選び方は、接続材料の解説で表と一緒に扱います。
例題:ボックス2個の回路
電源(VVF2.0-2C)がJ1に入る。J1からランプイ、片切スイッチイとコンセントを並べた取付場所A、J2へVVF1.6が出ている。J2からランプロ、ランプロを点滅する片切スイッチロ、コンセントへVVF1.6が出ている。
- ① J1〜A 非接地側1本(スイッチとコンセントで渡り線により共用)+接地側1本(コンセント用)+ランプイへ戻る線1本 = 3本
- ② J1〜J2 接地側+非接地側 = 2本 ランプロ・スイッチロ・コンセントはJ2の中で完結する
- ③ J2から先 J2〜ランプロ 2本、J2〜スイッチロ 2本、J2〜コンセント 2本
- ④ J1の接続点 接地側:2.0mm1本+1.6mm3本(ランプイ・A・J2)、非接地側:2.0mm1本+1.6mm2本(A・J2)、戻る線:1.6mm2本
- ⑤ J2の接続点 接地側:1.6mm3本(J1・ランプロ・コンセント)、非接地側:1.6mm3本(J1・スイッチロ・コンセント)、戻る線:1.6mm2本
答え:J1〜A 3本、J1〜J2 2本。接続点はJ1に3か所、J2に3か所
よくある間違い:スイッチロがJ1から出ていれば、J1〜J2に戻る線が加わって3本になる。
職場ではどう使う?
現場では、配線を始める前に複線図を描き、ボックスごとの接続点と電線の色を決めておきます。天井裏のジョイントボックスで接続を間違えると、天井材を張った後では点検口から手を入れて直すことになり、時間がかかります。
施工条件で色が指定されることもあります。センターの技能試験の資料には、接地側は白、電源から点滅器までの非接地側は黒、ランプレセプタクルの受金ねじ部やコンセントの接地側極端子には白、接地線は緑、といった例が示されています。
試験ではどう問われる?
学科の配線図では、ボックスの間の最少電線本数と、ボックス内の接続に使うリングスリーブや差込形コネクタの種類と数が、複線図を描けば答えられる形で問われます。誤りの選択肢は、スイッチの区間に接地側を数えた本数や、3路の切替えの線を1本と数えた本数から作られやすい型です。
3路・4路とパイロットランプの問題では、どの器具が接地側を必要とするかを先に確かめます。接地側が要るのはランプ、コンセント、常時点灯と同時点滅のパイロットランプ、自動点滅器などです。片切スイッチや3路・4路スイッチには要りません。
よくある質問
複線図で最初に描く線は?
接地側(白)です。電源から負荷とコンセントへ直接つなぎ、点滅器には通しません。次に非接地側(黒)を点滅器とコンセントへ引きます。
3路スイッチどうしの間は何本?
切替えの線の2本です。ボックスを経由するときは、その区間に非接地側やランプへ戻る線が1本加わります。
異時点滅だとスイッチまでがなぜ2本で済む?
パイロットランプをスイッチと並列につなぐので、スイッチの場所に接地側の線が要らないためです。常時点灯と同時点滅は接地側が必要で3本です。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は一般財団法人 電気技術者試験センターの公式情報で確認してください。