第二種電気工事士(学科)/一般問題
電気工事用の材料と工具:電線・ケーブル・電線管と附属品・工具の用途
VVF・CV・EM-EEFなど電線とケーブルの記号、金属管・合成樹脂管・可とう電線管と附属品の使いどころ、リーマやノックアウトパンチャなど工具の用途を、名称と用途の組合せで覚えられるように整理します。
電線とケーブルの記号は何を表している?
記号の文字が、絶縁体・シース(外装)・形などの材料と形を順に表しています。VVFなら「ビニル絶縁・ビニルシース・平形」で、住宅の屋内配線でよく使われるケーブルです。
絶縁体がどれだけ熱に強いかは、電技解釈146-3表の許容電流補正係数の式に表れています。耐熱性のないビニルの式は√((60−θ)/30)、架橋していないポリエチレンは√((75−θ)/30)、架橋ポリエチレンは√((90−θ)/30)で、θは周囲温度です。式の中の数字が大きい絶縁体ほど高い温度まで使えるので、CVは太い幹線に、EM-EEFはVVFに代わる屋内配線用のケーブルとして使われます。
EM-EEFの「EM」は環境に配慮した材料を示し、塩化ビニルを使わないので、燃やしてもハロゲン系の有害なガスが出にくいのが特徴です。
屋外用ビニル絶縁電線(OW)や引込用ビニル絶縁電線(DV)は、屋内のがいし引き工事には使えません(電技解釈第157条)。移動して使う機器の電源にはキャブタイヤケーブルを使い、コンクリートに直接埋め込めるのはMIケーブルやコンクリート直埋用ケーブルなどに限られます(第164条)。
| IV | 600Vビニル絶縁電線。管に収めて使う絶縁電線。 |
|---|---|
| HIV | 600V二種ビニル絶縁電線。IVより耐熱性を高めたもの。 |
| VVF/VVR | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルの平形/丸形。 |
| CV | 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル。熱に強く、太い幹線に使う。 |
| EM-EEF | 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形。エコケーブル。 |
| OW/DV | 屋外用ビニル絶縁電線/引込用ビニル絶縁電線。 |
| VCT | ビニルキャブタイヤケーブル。移動して使う機器の電源に使う。 |
| MIケーブル | 無機絶縁ケーブル。導体を無機物の粉末で絶縁し金属の管で覆ったもので、熱や火に強い。 |
金属管と附属品は何に使う?
金属管には、ねじを切って接続する薄鋼電線管・厚鋼電線管と、ねじを切らずに接続するねじなし電線管があり、附属品も接続のしかたに合わせて選びます。
ねじなし電線管は、ねじなしボックスコネクタの止めねじで管を押さえて固定し、止めねじは頭部がねじ切れるまで締め付けます。ボックス側はロックナットで締め、管端には絶縁ブッシングを付けて電線の被覆を守ります。電技解釈第159条は、管の端口に電線の被覆を損傷しない構造のブッシングを使うことを求めています。
| ねじなしボックスコネクタ | ねじなし電線管とボックスをつなぐ。止めねじを頭部がねじ切れるまで締める。 |
|---|---|
| ロックナット | 管やコネクタをボックスに締め付けて固定する。 |
| 絶縁ブッシング | 管端に付けて電線の被覆を守る。 |
| カップリング/ノーマルベンド | 管どうしをまっすぐつなぐ/直角につなぐ曲がった管。 |
| ユニバーサル | 露出配管で直角に曲がる箇所に使う。 |
| エントランスキャップ | 屋外で垂直な管の上端に付けて雨水の浸入を防ぐ。 |
| 接地金具(ラジアスクランプ) | 金属管に接地線やボンド線をつなぐ。 |
| サドル | 管やケーブルを造営材に固定する。 |
| プルボックス | 管が多く集まる所や長い配管の途中で、電線の引き入れをしやすくする。 |
合成樹脂管と可とう電線管はどう選ぶ?
硬い管を曲げて使うか、やわらかい管で自由に配管するか、コンクリートに埋めるかで選びます。
硬質ポリ塩化ビニル電線管は、トーチランプで温めて曲げ、TSカップリングに接着剤を塗って差し込んで接続します。電技解釈第158条で差込み深さは管の外径の1.2倍以上、接着剤を使う場合は0.8倍以上です。切断は合成樹脂管用カッタで行い、切り口は面取器で整えます。
合成樹脂製可とう電線管にはPF管とCD管があります。PF管は自己消火性があり、露出場所や隠ぺい場所にも使えます。CD管は耐燃性がないため、コンクリートに直接埋め込むか、専用の不燃性または自消性のある難燃性の管に収めて使います(第158条)。PF管とCD管は直接つないではいけません。
金属製可とう電線管は、電動機へ向かう配管のように振動や動きがある箇所に使います。2種金属製可とう電線管はプリカナイフで切断し、ボックスとは可とう電線管用のボックスコネクタ、ねじなし電線管とはコンビネーションカップリングでつなぎます。
電線の接続や穴あけにはどの工具を使う?
作業ごとに専用の工具があり、名称と用途の組合せで問われます。材料に合わない工具を選んだ組合せが誤りの選択肢になります。
電線の被覆はワイヤストリッパ、VVFの外装と絶縁被覆はケーブルストリッパではぎ取ります。E形のリングスリーブで圧着するときは、JIS C 9711に適合したリングスリーブ用圧着工具を使います。握りが黄色で、圧着すると〇・小・中・大の刻印がスリーブに付き、スリーブの大きさと圧着位置が合っているかを確かめられます。技能試験の受験案内でも、この工具が指定工具になっています。
穴あけは材料で工具が変わります。木材には羽根ぎりや木工用ドリルビット、コンクリートには振動ドリル、金属製のボックスや分電盤の鉄板にはノックアウトパンチャやホルソを使います。
金属管は金切りのこや高速切断機で切り、やすりで外側を整え、クリックボールに付けたリーマで内側のばりを取ります。曲げるのはパイプベンダ、ねじを切るのはねじ切り器で、作業中はパイプバイスで管を固定します。配管が終わったら、呼び線挿入器で先に呼び線を通し、それに電線を結んで引き入れます。屋外の架空線のたるみを取るのは張線器です。
職場ではどう使う?
改修工事では、天井裏の既存の配線がVVFかEM-EEFかを外装の表示で確かめ、同じ種類のケーブルで延長するのが基本です。公共建築の工事では、仕様書でエコケーブルを指定される例があります。
機械室の露出配管では、ねじなし電線管がよく使われます。直角に曲がる箇所にはユニバーサル、ボックスとの接続にはねじなしボックスコネクタを使い、管とボックスの間には接地金具でボンド線を渡します。附属品が1つ足りないだけで作業が止まるので、図面の配管経路をたどってボックスと曲がりの数を数えてから発注します。
試験ではどう問われる?
記号と名称の組合せでは、VVFとVVR(平形と丸形)、CVとEM-EEF(架橋ポリエチレン絶縁と耐燃性ポリエチレンシース)を入れ替えた選択肢が作られやすい型です。材料では、PF管とCD管の性質を入れ替えた記述や、ねじなしボックスコネクタにねじ切りの説明を混ぜた記述が典型です。
工具では、リーマ(ばり取り)とパイプベンダ(曲げ)、ノックアウトパンチャ(鉄板の穴)と羽根ぎり(木材の穴)、トーチランプ(合成樹脂管の加熱)とパイプベンダ(金属管の曲げ)のように、対象の材料を取り違えた組合せがよく出ます。本番では写真で示されるので、形と用途を一緒に覚えます。
よくある質問
VVFとVVRの違いは?
どちらも600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルで、VVFは平形、VVRは丸形です。記号の最後の文字が形を表しています。
PF管とCD管はどう違う?
PF管は自己消火性があり、露出場所や隠ぺい場所にも使えます。CD管は耐燃性がないため、コンクリートに直接埋め込むか、専用の不燃性または自消性のある難燃性の管に収めて使います(電技解釈第158条)。
リングスリーブ用圧着工具はどう見分ける?
握りが黄色で、JIS C 9711に適合したものです。圧着するとスリーブに〇・小・中・大の刻印が付き、技能試験でも指定工具になっています。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は一般財団法人 電気技術者試験センターの公式情報で確認してください。